一戸建ての道路付けと住み心地の関係は？

一戸建ての敷地は、どの方向で、何メートル幅の道路に接しているか、接している部分は何メートルか、そういった道路と敷地の関係を示すのが「道路付け」です。

例えば道路が敷地の南側になるのか、北側になるのかで、一戸建ての間取りは大きく変わるので道路付けが住み心地に与える影響について知っておきましょう。
　
 １  「南入り」と「北入り」で、住み心地はどう変わるの？

敷地の南側が道路の場合、南から家に入るので、南入り、北側が道路ならば、北入りとなり、どちらを選ぶかで住まい方は大きく変わります。

価格設定も変わる（一般的には南入りのほうが１割程度高い）ため、住宅購入時には多くの人が迷うポイントです。


 ２  北入り

【長所】
庭とＬＤは南側に確保されるので、道路を行き交う人からの視線にさらされず、プライバシーを守りやすくなります。
また、玄関が北側となるためＬＤを横長に配置することができ、明るいＬＤが実現できます。

【短所】
玄関は昼でも日陰となって、暗い印象を受けることが。
また、玄関エントランスと庭が別にあるため、庭スペースが分散して、それぞれが狭い印象を受けることがあります。

南側の隣家との距離によっては庭が陰になってしまう場合もあります。


 ３   南入り

【長所】
南側が道路となるため、日照を遮られる心配が少なく、また、日当たりの良い庭が得られます。

【短所】
玄関を南側にとらなければならないため、間口の広いＬＤが確保しにくくなり、庭やＬＤに居るときに、道路を行き交う人に覗かれる可能性があります。


 ４   東入りと西入り

【長所】
北入りと同じ長所があるが、数は多くない。

【短所】
時間帯によって、玄関が暗くなってしまうことがあります。玄関エントランスと庭が分散して、それぞれのスペースが小さくなりやすいという短所も北入りと同様です。


 ５   道路付けで注意したいポイント　

１.セットバック
敷地に面する道路が、建築基準法で定められた「幅４ｍ以上」より狭い場合、家を建て替えるときに敷地を削って道路の幅を広くしなければならない。
道路を広げる、つまり敷地を後退させることが「セットバック」。

敷地が狭くなる分、建物もそれに合わせて狭いものしか建て替えられないため、中古住宅で「セットバックあり」と書かれていたら、マイナス要素となります。

２.敷地延長

「敷延(しきえん)」と呼ばれる。
これは、図のように奥に入った敷地で,道路から通路を通って建物まで至るもの。
この通路部分が敷地延長と呼ばれ駐車場として活用されるケースが多い。
土地面積の一部を通路として使わなければならず、条件の悪い敷地です。

目次に戻る